リュウグウノツカイのように

深海で悠々と暮らしたい

専門学校に通わせたほうがいいの?

まえがき

 高校生の進学先や、社会人のリカレント教育として人気なのが専門学校。最近は大学ではなく、専門学校をあえて選ぶ高校生も増えてきたように思えます。私は専門学校に通いましたが、通うまでの苦労/通ってからの苦労はたくさんありました。でも、その分得られたモノも多かったです。結果的に、通って満足はしています。でも、親には苦労を掛けました。親はあのとき、どう思っていたんでしょうか?

 今回は娘さん・息子さん、近所の学生さん等が「専門学校に通いたいんだけど、どう思う?」と質問をぶつけられたときの、一つの参考にいただければ幸いです。ママさん/パパさん向け。

本人のキモチに寄り添いたい

 おそらく、専門学校に通わせる親御さんのほぼ大半が「本人のやる気や気持ちに寄り添いたい」だと思います。本人に後悔させたくない、本人に辛い思いをさせたくない、というのが親心ってもんだと思います。特に、本人が主張をすることが少なく、今回の専門学校が初めての「本人からの主張」であった場合、大人になったんだなぁという思いや、やっとやりたい事が見つかったんだと安心したり、感激したり。ともかく、本人のキモチに寄り添いたいのが、親心だと思うんです。

気持ちに寄り添いたい

なんで通いたいの?とも聞けない理由

 専門学校はその名の通り、専門分野を学ぶ学校。専門知識がなければ、本人のテンションについていくこともできず、言葉もわからず・・・なんだか本人が楽しそうだから、それで良いかな?と思ってしまいます。

 でも学費は凄まじく、1年で100万円かかるのが通常。4年通えば400万円。奨学金を借りるといっても、400万円を返すには、1ヶ月1万円ずつ返すとしても、400万÷1万÷12ヶ月=33.3333...さ、33年!!??ほぼ一生涯かけて返さなくてはいけません。

 そんな現実が待っていようとも、「本人の通いたいキモチに水をさしては行けない/専門分野だから良くわかんない」という2つの「聞けない」理由で、なんとなく通わせてしまうことも、あるかもしれません。ココは本人に、きっちり理由を聞いておきたいところです。

質問できない雰囲気、分かります。

専門学校は塾ではない

 専門学校を学習塾や道場のように考えてしまうと、少し違うのかもしれません。何がって「熱意」が違います。専門学校にも寄りますが「ホンキで学生のことを考えてくれている?それとも、学校経営のためにキレイゴトを言葉巧みに操っている?」と、分かりにくいのが専門学校。

 一番良いのは、普段の授業の様子を見れることです。そんな所見せられないよ!!というのであれば、もしかしたら見栄を張っているだけ系専門学校かもしれません。もし、仮に見せてくれたのであれば、授業よりも学生の態度を注視。寝ている学生、スマホをイジイジ学生、どれだけ勉強に熱が入る環境であるのか、雰囲気を知ることで、その学校のヤバさが理解できるかもしれません。良い意味でも、悪い意味でも。

授業より、学生に注目!!

比較検討は大事。

 専門学校は全国津々浦々にたくさんあります。もちろん、地方よりも都会の専門学校の方が就職先が周辺にある分、有利なところがあります。地方にはゲーム会社、ホントに少数しかありません。ゲーム会社も、周辺にある専門学校で授業することが多く、地方のゲーム専門学校には、ゲーム会社へ入れるツテやコネは、あまり無いんです。学生募集のためのゲーム学科/コースかな?と思ってしまいます。

 だからこそ、複数の専門学校を比較し、検討しなくてはいけません。少子高齢化の中で、スピーディーに焦らせて入学生を確保したがるのが、最近の専門学校のイヤなところ。焦っても上手く行くことはありません。

 最低でも3つの同じ分野の専門学校の学校見学へ行き、決めましょう。面倒かもしれませんが、他と比較することで良いところが見えます。教員のセールストークに騙 さ れ な い よ うに。

お見積もりと一緒です。

専門学校はゴールではなく、スタートである。

 専門学校に通えば、何となく知識や技術を身に着けて、いい感じの企業へ内定できるだろうと考えてしまいがちですが、そうでもありません。やっぱり大事なのは本人の努力。しっかり勉強して、資格を取ったり、作品を作ったりして、就職活動もへこたれずに頑張って、初めて専門分野への就職を手にするんです。

 それなのに、ぼーっと授業を聞き、必要な資格も取得せず、作品も面倒だ~~といって作らず、ちゃらんぽらんのまま、最終的に地方の現場職へ内定・・・というのがお決まりのコース。本人の努力がなければ、どんなにいい環境で勉強したとしても、結果は芳しくないことだってあります。

 本人が専門学校をどのように考えているのか、もし考えていないならば入学前にキチンと考えておけば、途中で退学することもなく、本人のやりたいことを更に突き詰めることだって、できるはずです。

ゴールではなく、スタート

ソコしか通えない

 学校までの距離や学力・性格などで、「そこしか通えない=滑り止め」的な学校として専門学校を選ぶ手段もあると思います。専門学校はボランティアではなく、慈善団体でもなければ教育機関。学校に通うということは「とりあえず時を過ごす」のではなく「勉強するため」の場所でもあるんです。ニートになってほしくない/ずっと家にいるよりはマシだ、と考えるのも正常だと思います。

 地方の場合、隣の県の都会に引っ越したり、東京や大阪で一人暮らしする、なんてことは難しく、できれば家から通わせたい気持ちは良く分かります。距離を妥協してまで通うメリットはあるのか、その専門学校で本当にゲーム会社に入れるのか・・・という疑問は、体験入学や学校見学で、教員に相談してみるのもいいかもしれません。但しセールストークで丸め込まれるかも?

様々な道が、きっとあるはずです。

本人をほったらかしにしない

 専門学校に通ったあとも、たまに本人に「今、どんなこと勉強してるの?」みたいな話を聞くとよいでしょう。専門技術のため、本人が何を言ってるのか分からないことも多々あります。でも「今日は授業で〇〇教えてもらった」とか、「友達とマック行ってきた」とか、せっかく家から通っているのであれば、本人にウザがられない程度に聞いてみると良いかもしれません。

 特に本人がサボりのプロである場合、有る事無い事を話して、なんとか期限を伸ばそうとしたり、休もうとしたりします。専門学校でも、夏休み前や冬休み前を中心に、ちろん試験はありますし、ゲーム作品の課題提出もあると思います。

 もし、どんなことを勉強してるの?と聞きにくいのであれば、ゲーム学科ならば「今、どんなプログラム勉強してるの?」とか、「どんなゲーム作ってるの?」とか、聞いてあげると答えやすいです。素直な子ならノートPC片手に語りだすと思います。技術的なことは分からなくても、「本人が楽しいんだ」と思える気持ちは、家族や周辺の人でなければ分からない感情であり、確認方法の一つでもあります。

家族の時間も大事です。

本人のやる気を図るために

 もし、本人から「専門学校に通いたい!」という申し出があったとき、実際には資金があったとしても、「じゃあ学費は自分で払ってもらうけど、それでいいの?」と聞いてみるのも手です。

お金が無いフリをしましょう。

「親なのに学費の準備が無いなんて最低!!!」みたいに喚き散らさなければ良いですが...

 大抵の場合は奨学金を借りる方法を調べたり、学費免除の方法などを本人が調べ始めるはずです。本人からアクションすることができれば、よっぽどやる気があります。

自分の住んでいる市町村にも、奨学金制度があります。

 逆に、ふ~ん、じゃあ就職でいいや、と簡単に諦めるなら、一時の気の迷いかもしれません。通わないほうが賢明です。

 本人から学費についてアクションできるかどうか、が通いたい本気度だと思います。その様子を見て、通わせても良いか判断するのも、良いかもしれません。

結局、本人の好きなことをやらせたいのが親心。

本人が通う責任は、本人にしっかり持ってもらいましょう。