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専門学校の「アカハラ・逆アカハラ」の思い出

まえがき

 先日、ぐうぜん読んだネット記事。新たな屋内テーマパークが人気なっていることや、数年ぶりの花火大会の実施など、梅雨の時期な話題がある中、ある記事に注目してしまいます。専門学校でのアカハラに対する要望書提出の記事です。業界は違えど、同じく専門学校に通った身である私。ハラスメントの境界線は難しいですが、色々な思い出を思い出しました。

アカデミックハラスメントとは?

 基本的には、学校という立場を利用し、学習や就職活動の妨害、研究の奪取、暴言・暴力などを行う人格者侵害のことを指すようです。

ja.wikipedia.org

 もっと具体例はないのか!!と調べてみると、こんな記事が。

business-textbooks.com

 この2つの記事を元に、コレはアカハラだったんじゃないかと思うことや、逆に学生という身分を利用したハラスメント(仮に『逆アカハラ』と呼びます)じゃないんだろうかと思う、思い出をまとめてみます。みなさんも良かったら、ジャッジしてみてください。

特定のヤンキー系学生が怖すぎて指導できない講師

 専門学校にはホントに色んな人が入学してきます。真面目そうな子、元気な子、赤髪の両耳ピアスな子、多様な社会です。でも皆さん、姿は違えど同じ目標を持つ同士。外見で判断しては行けません。でも、情報系の学校って、どちらかというと陰の者が多いんです。そのため陽のパワーが怖いみたいで、近寄れませんでした。ちなみにヤンキーそうな見た目なだけで、根はいいヤツなんです。最終的には卒業作品を一緒に真面目に取り組んだ仲です。

 ヤンキーが怖いのは、一部の先生にも当てはまるようで。例えば授業中に、「その順番で来たなら次はヤンキーだよね?」のタイミングで当てなかったり、課題提出がされなくても注意しなかったり。関わりたくないんです。怖いんで。でも、それって職務放棄ですよね?怖がらずに指導してくださいな。

ヤキモチを焼く講師

 専門学校って、担任制が多いんです。クラスがあって、1~2人、担任がつきます。授業のことや就職活動について、仲良くなると普段の悩みまで相談しちゃいます。同じ学科・コースでも、クラスが多ければ、それだけ講師の数は多くなります。

 講師の数が多くなれば、必ずしも相談しやすい先生が担任の先生ではないときもあります。若くてネットミームにも対応できる先生や、お父さんのように堂々と的確な意見をくれる先生。いろんな先生がいてこそ、専門学校でもあるんです。ただ、あまりにも担任ではない先生に相談する学生がいて、担任、拗ねちゃいました。「もう、いつも相談してる先生が担任だからね。面倒見ないから。」だそうで。

 これは完全に職務放棄な気がします。何で知ってるのか。クラスLINE、専門学校にもあるんです。いろんな情報が流れますから、恐ろしいもんです。結局、クラスLINEも荒れて、保護者から連絡が行き、学校でも問題となったのか、その学生に謝罪することになりました。どうせ焼くなら世話を焼いてほしかったです。

同意なくサポートメンバーにする講師

 専門学校では月に1回程度、オープンスクールという学校見学日があります。中でも模擬授業では、専門の授業を実際に体験できることもあり、人気のイベントになっています。ただ、夏休みなどは一度に200人が参加することもあり、普段の先生たちでは手が回りません。そこで、学生にサポートメンバーとなってもらい、お手伝いをお願いすることがあるんです。私も3回ぐらいやりました。

 サポートメンバーは、善意により成り立ちます。オープンスクールは土日に行うことが多く、アルバイトがあって参加できない学生もいますから、参加できるメンバーは限られてきます。普段の先生と学生の信頼関係が問われるんですね。言ってしまえば、学生がどれだけその先生を好きなのかを問われるイベントでもあります。「先生の役に立ちたい!」と思う学生は、素晴らしい働きをします。「なんか呼ばれたから来た~」という学生は、ダラダラと印象も最悪。ですから、なるべくサポートメンバーは印象が良さそうな学生を選ぶそうです。まるで入学生の模範となるように。

 ゲームの専門学校って、女の子が圧倒的に居ません。そのため、少しでも印象を良くするために女の子を多用するようで。よく友人の女子がサポートに頼まれてました。でも気が弱くて。頼まれたことにNOを言えないタイプ。よく周りからフォローをもらうタイプでもあります。先生は、そこを狙ったんでしょう。あろうことか、本人の同意なしにサポートメンバーとして固定してしまったんです。

 ある時、用事がありサポートメンバーとして参加できないことを女の子が先生に相談。先生からは「代わりの人を見つけるように」の指示があったと、またもクラスLINEに流れました。現代のかわら版です。結局、クラスの他の人がやってくれることになりましたが、気が弱いのでめちゃめちゃ謝ってました。スタンプ×5です。でも、これってバイトでもよくある話で、本来は先生が決めるハナシでは?少なくとも、気が弱い部分に漬け込むのは感心できません。

進級できないなら、家を燃やすと脅す学生

 逆に学生の立場を使ったハラスメントっぽい事件がありました。最初にご忠告いたしますと、家は燃えませんでした。安心してください。コイツはピンチになると自暴自棄になるタイプで、困った系の学生さん。課題が提出できない、自分が思い通りにならないと面倒なタイプです。先生も指導が大変でしょう。とある進級課題。どうやら友人の話によると、できなければ補習授業があり、進級の意思を学生・担任・保護者の三者面談として確認することで、進級できるらしんです。あ、私は赤点とか無かったタイプなので、知らないんです。

 このときは私、自分の教室で課題に取り組んでいて、どうやら隣近所の教室で三者面談をしていたらしいんです。ただ時代が時代、教室は新型コロナ対策でドア&窓開けっ放しなんです。ちょっとした大声は聞きたくなくても、聞こえてしまうんです。そんな中で聞こえたのが、見出しの言葉。謎の脅しです。こんなことを言われても困ります。担任も保護者も。幸い、保護者が人格者のようで、お父様の喝が響き「鶴の一声」でした。結局、私は耐えきれず、そそくさと帰りましたので続きは知りませんが、コイツは進級していたので、態度を改めたんでしょう。きっと、あれでも。

緊急度の低い連絡を毎晩する学生

 毎晩というと、話を盛りすぎました。すみません。最近の新型コロナウィルスによって、講師との連絡方法もずいぶん変わりました。お休み連絡はメールやコミュニケーションツールを用いることが多く、オンラインで完結することが多いんです。ズル休みをするためにドキドキしながら電話することは、もう無かったんです。もちろんよその学校では、休み連絡も指導のうちと考えているみたいですが。

 ただ、いつでもオンラインで繋がれるということは、学生にとってはチャンス。午後10時であろうと、深夜1時であろうと、連絡できるんです。課題の提出日の確認に始まり、お悩み相談まで。あまりにも多かったのか、学校側から講師に連絡できる時間が告知されました。でないと先生死んじゃう。オンラインでいつでも繋がれるメリットはありますが、繋がりすぎてしまうこともあります。学生が勤務を始めてから戸惑わないように、こういったルール化は学校という組織なら必要だと思います。学生を守り、講師を守るためにも。

クラスLINEは、学生のかわら版。

 学校によっては、クラスLINEを禁止したり、学生同士のチャットアプリを禁止したりするトコロもあるそうで、おそらく管理ができないんでしょう。そもそも管理の時点でアカハラっぽいんですが。クラスLINE、学生にとっては当たり前になりつつあります。入学式~1週間ぐらいでクラスの8割が参加します。仲の良いグループも複数あるので、複数のグループを使い分けるのが、最先端でアーバンな学生です。

 クラスLINEは試験範囲やお知らせなど、クラス連絡網としての役割が主ですが、ビッグニュースも中には飛び込んできます。複数のグループがありますから、クラスLINEに入っていなくても、情報は流れます。表面上は知らなくても、全員が知っている情報があるんです。専門学校のクラスって、表面上は点でバラバラですが、意外と結束力が強いんです。

講師と学生、信頼関係はどこへ?

 専門学校の講師は学生の身から見たら「師匠」そのもの。言動、所作、右も左も分からない弟子たちにとっては「これぐらいなら業界でも許されるのか~」と間違った解釈をするかもしれません。講師として人を教える仕事に着いたのであれば、少なくとも真似されても良い行動・言動を心がけるべきなんです。

 入学生不足、資金不足、教員不足、足りないばかりの専門学校で、講師は学生をストレスのはけ口にしているのでしょうか。そもそも、講師は学生を「弟子」と考えているのでしょうか。学生は講師を「師匠」と考えているのでしょうか。授業料による、ただの金銭関係。教える方も、学ぶ方も、信頼関係を持てば、小さなアカハラは阻止できると思うんです。

 「おかしい」と思う気持ち。自分の気持ちのキャパは、他人のキャパを大きく超えているかもしれません。学校の根底として根付いている悪しき習慣もあります。「昔の学生はもっと頑張れた」「今の学生は弱すぎる」という主張をする講師の方が学校でも声が大きいんです。

 学校は保護者の声に弱い部分もありそうです。金銭関係だけなら、金銭を支払う保護者の意見が強そうではありませんか?モンスターペアレントではダメですが、気が弱かった友人のことを思い出すと、やっぱり外に誰かに伝えるのが一番だと思います。

 私はこういった問題、信頼関係が無いから生じるんだと思ってます。尊敬/羨望/愛着/成長。専門学校という名の「道場」は厳しいです。厳しすぎも良くありませんし、甘えすぎも同じです。

講師と学生、師匠と弟子として考えられないという部分が、根底の問題なような気がします。