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書籍XR/一週間でC言語の基礎が学べる本

まえがき

youtu.be 以前、ゲーム数学の書籍に狂っていたとき、まとめた動画を作りました。専門書って意見が人によって違いますから、他の人の意見を聞く機会がありません。さらにニッチな分野では尚更です。ただ求めている人はいそうなんです。多少なり視聴数があるので。レビューが流行している現代。口コミが恐ろしいチカラを持つ現代。ただレビューするのではオリジナリティがありません。専門学校へ通い、専門学校の教員もほんのりチョコっと考えたことがある私のクロスレビュー(略称はXRでいいのか?)、勝手に始めさせていただきます。ご参考になれば幸いです。

書籍の基本情報

書籍名一週間でC言語の基礎が学べる本
出版社インプレス
著者⻲⽥ 健司
ISBN978-4-295-00987-0
発売日2020/08/24
価格2,500円+税

book.impress.co.jp

表紙のティラノサウルスが可愛いA5サイズの書籍。ポップな見た目は威圧感なく手に取りやすい。

学ぶなら

よく見る場所専門書棚がある書店なら小さい店でも高確率で置いてある。
図書館では見たことがない。要望を出せば置いてくれるかも?
身につく技術C言語の基礎(変数、分岐、繰り返し、配列、関数)はもちろん、
C言語の応用(ファイル分割、アドレス、メモリ管理)までを一通り網羅。
Visual Studioの使用方法やデバッグの仕組みも解説。
ハードウェアの知識はプログラムに必須。本書籍では手厚くフォロー。
事前知識特に無し。最低限、C言語を学びたい熱意は持とう。
基本情報技術者試験のハードウェア分野を学んでいると最初は苦労しない。
分かりやすさスクリーンショットや図解、フローチャートなどが豊富。
決して難しい書籍でない印象を与え続けてくれる。
続けやすさ「ゲームを作ろう」のような、目標物があるタイプの書籍ではない。
練習問題が豊富であり、プログラムの量も大満足。
一気に読むのではなく、コツコツ進めるなら最適。
読了目安プログラムを打たず雰囲気を掴むなら1週間で十分。
キチンと学びたいのであれば、最低3ヶ月は覚悟。
全く初心者なら、6ヶ月かかっても恥ずかしくない。

 「1週間で○○できる」「サルでもわかる」は言わずもがな比喩表現。売り文句なので、本気にしすぎないこと。かわいい表紙は意外や意外、内容は超本格派。最近はメモリの管理(メモリの動的確保)を省く書籍や、ファイル分割を省く書籍もある一方で、ちょっとした入門書よりも全て読み終え理解できれば、到達レベルは高い。

 書籍では繰り返し学ぶことで理解が定着することを想定しているため、①最初は流し読みで雰囲気をつかむ→②実際に打ちながら理解できない部分は後回し→③慣れてきたら全部理解する、というドリル的な考え方として学ぶと良い。

 本書籍の最大の特徴は、入門書では親切すぎるぐらいの「周辺への配慮」がされていること。通常の入門書では、ソフトウェアの操作方法やPCの仕組みは掲載される量が少ない。1人で学ぶときに躓いたり、最初に知っておくと「なんでこうなるの?」が解決できる書籍づくりになっている。まるで専門学校の講師がドヤ顔で説明してくる部分と似ている。少々おせっかいさんなのだ。だがそれが良い。しかしそれは、単に寄り道が多いという裏返しでもある。純粋にC言語のこと以外学びたくなかったのにー!!という方には向かない。しかし、プログラミングって周辺も知ると上手になるので、がんばって覚えるべし。

教えるなら

単元・区切りストーリー仕立ての流れのため、話題がとっ散らかるときがある。
例)算術演算子→コメントについて→変数→代入→代入演算子
よくある構成)変数→代入→算術演算子→代入演算子
向いている人初任者なら本書籍に沿って教えられるため頼もしい存在に。
ベテランは独自の一貫性を持つため相性悪めかも。
注文しやすさインプレス社で最近の書籍なので、大量購入しやすそう。
採用するなら目先を新しくしたい場合や、初任者が迷わず授業したいなら採用。
章末問題もあるため課題を出すのも容易。理解が早い学生への配慮にも◎。

 実際に教員をしたことがないので空想モノですが。こんなトコロでしょうか。特に授業を受けて感じたのは「講師が教科書を使わない」ケース。教科書がなくても、口から知識が溢れ出すんです。つまり、長年おなじ内容を教えていた証拠。教えるロードマップが確立されているんです。そのロードマップとは違い、耳寄りなコラム満載な本書籍。ベテランのロードマップ論には合わなそうです。

 しかし、新任講師で右も左も分からない方がチャレンジするのであれば、大いに役立つ可能性があります。学生がつまづきそうな部分(私が躓いた部分)で、小難しい部分も解説がありますから、安心できます。

まとめ

 専門書って、色々見ていると以下の3つに分かれると思うんです。

教科書向き単元や区切り、内容が明確。寄り道無し。表紙も硬いイメージ。
○○時間で分かる!系も当てはまりがち。
個人学習向き楽しそうな表紙、興味を引きやすそうな内容が多い。
最近は具体例を上げる事が多く、学習者を飽きさせない工夫を感じる。
読み物テクニック集や考え方など、中級者~上級者が見てそうな書籍

 今回の書籍は、どちらかというと「個人学習向き」です。でも、著者は教育現場で培った苦労やつまづきポイントを上手く抑えている印象です。初心者でC言語をがんばって覚えたい!というならば、購入する価値はあります。

 別の視点として、新たにプログラミングを教えなくてはならなくなった新任講師以外にも、企業の教育指導係にもオススメできる書籍です。初心者のつまづきポイントや指導法が体感できますから。

あとがき

この書籍を購入し、最後に言っておきたいことがあります。

変数の命名規則
変数の命名規則ですが・・・C言語に$はないはず。他の言語と勘違いなさっていませんか?